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COAで確認できる検査項目と、書かれていないこと
COAで確認できるのは、提出された試料について、書かれた方法で調べ、報告された項目と結果です。カンナビノイドの表があっても、微生物や重金属まで検査したとは限りません。項目が見当たらなくても直ちに不合格とも言えません。何が記載され、何が未確認かを分けて読みます。
30秒要約
- 試料名、製品形状、Lotなどから、何を分析した資料か確かめる。
- 検査項目、方法、結果、単位、ND・LOD・LOQをまとめて読む。
- 書かれていない項目は「未実施」と決めず「資料内で確認できず」と記録する。
- COAは試料の分析報告であり、商品の安全性や法的な扱いの認定とは異なる。
「検査した範囲」はどう決まるか
分析証明書は、試験室に渡された試料を特定の手順で調べた記録です。表題に商品名があっても、実際の試料が原料か完成品か、購入予定のロットに対応するかは別の欄で確かめます。試料の採取・取扱いも分析の一部です。Eurachemの2025年版ガイドは分析法の妥当性確認と合わせ、試料採取や取り扱いについて説明しています。[2]
麻薬取締部のCBD関連製品輸入案内は、成分分析書に対象製品を特定する番号、分析日、方法、LODとLOQなどを記載する項目として示しています。[1] これは輸入前の資料確認の案内で、商品の認証や全品質項目の検査を意味しません。制度上の判断は本記事では扱いません。
項目名だけでは対象物質まで分からない
「カンナビノイド」「農薬」などの見出しだけで、個別成分や対象物質の全てを推測せず、一覧を確認します。項目が記載されること、数値が報告されること、何らかの基準と比較されることは別です。報告書に「合格」と書かれていても、その判定がどの対象・基準に対するものかを確かめます。
確認欄と読み取れる範囲
| 確認欄 | 資料で見ること | それだけでは決まらないこと |
|---|---|---|
| 試料・形状 | 原料、完成品など対象の記載 | 手元の商品との同一性 |
| Lot・Batch・Sample ID | 番号を表記どおり転記 | 別番号同士の対応関係 |
| 試験項目 | 対象成分や物質の一覧 | 一覧外の検査有無 |
| 方法・結果・単位 | 分析法、数値、NDと注記 | 他法・他試料の結果 |
| 発行元・日付 | 機関、責任者、分析日 | 機関の認定範囲や報告有効性 |
試験所に認定マークがあっても、全ての分析が認定範囲内とは限りません。ILACは、認定の範囲と証明書・報告書の有効性を該当する認定機関へ確認するよう案内しています。[3] ロゴだけで判断せず、対象となる試験を照合します。
具体例:欄が見当たらないとき
カンナビノイド結果は載っている一方、重金属欄が見つからない例なら、次のように記録します。
掲載項目:カンナビノイド/重金属:この資料内では確認できず/別紙:有無を確認中/商品ロットとの対応:未確認
この記録は「検査していない」とも「検査済み」とも断定しません。全ページ、凡例、別紙を見て、不明点を販売元へ尋ねます。回答が届いたら、回答者・日付・対象ロット・示された資料も残します。返答がないことも、直ちに違法・偽物・安全といった結論には結び付けず、確認できない状態として扱います。
質問を具体化する
「このCOAの全検査項目と対象ロット、結果の単位、NDの凡例が分かる全ページを確認できますか。重金属等の別検査がある場合は対象試料も教えてください」と尋ねます。質問ごとに回答の有無を分ければ、資料が答えた範囲を後から読み返せます。
読み違えを防ぐ注意点
- 空欄をNDやゼロに置き換えず、凡例と別紙を探す。
- 試料の一部の分析結果を商品全体へ広げない。
- 試験対象、方法、単位が異なる数字を単純比較しない。
- 研究結果、商品表示、購入者の感想を同じ種類の証拠として扱わない。
一つのCOAから分かるのは、文書に含まれる試料・方法・結果の情報です。測定されていない対象、別ロット、書類の外にある品質情報は、別の根拠なしに埋めることはできません。
試験パネルと検査結果を区別する
「パネル」は、その分析で調べる対象の組み合わせを指す案内語として使われます。パネル名が広くても、どの物質を測ったかは明細を読まなければ分かりません。たとえば一つの成分の分析値があることから、同じ方法で別の成分も測定済みとは言えません。結果表に行がある場合も、数値、ND、対象外などの表示を凡例に照らします。
また、検査結果そのものと、結果を評価する判定基準も分けて見ます。分析値が示されているだけなのか、報告書発行元が一定の基準に照らして判定したのかを確認します。基準の出所や適用対象が書かれていない場合には、独自の「合格」基準を当てはめず、どの規格・仕様による判定かを尋ねます。書類にない基準を記事が補うこともしません。
よくある質問
Q. 成分の数値があれば、不純物も調べたと考えてよいですか?
いいえ。試験項目の一覧で個別対象を確認します。記載がなければ「この資料では確認できない」とし、別の報告書があるか尋ねます。
Q. 欄がなければ製品は不合格ですか?
書類だけから製品全体の合否は決まりません。空欄が何を示すか分からないと記録し、発行元に確認します。
Q. 公的案内の要件を満たせば商品認証になりますか?
なりません。輸入前の資料確認と商品認証・品質保証を同じ意味として扱わないでください。
Q. 認定マークがあれば結果を比較できますか?
認定機関と対象試験の範囲を確認します。試料や方法の違う結果を同条件の数値として比べることはできません。
まとめ
試料、ロット、項目、方法、結果、単位と注記を組み合わせて確認し、書類にない情報は「未確認」と記録します。COAが答える質問と、販売元・分析機関へ別途尋ねる質問を分けましょう。全体チェックにはCOAで確認する6項目、NDや下限にはND・LOD・LOQの読み方も参照できます。
主な参照情報
- 麻薬取締部「CBD関連製品の輸入手引き」(2026年6月1日版) — 輸入前資料確認の項目。
- Eurachem, The Fitness for Purpose of Analytical Methods, 3rd ed. (2025) — 分析法と試料の取扱い。
- ILAC, Accredited Conformity Assessment Bodies — 試験所の認定範囲確認。