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COAのND・LOD・LOQの違い|「ゼロ」と読み替えない確認方法
COAの「ND」は、成分が絶対にゼロだという意味とは限りません。LODは検出限界、LOQは定量限界を示す用語ですが、個々の報告書での表記や基準は凡例・分析法によって異なります。記号を読むときは、対象成分、試料、方法、単位を一緒に確認しましょう。
30秒要約
- NDは報告機関の定義を確認し、ゼロと読み替えない。
- LODは検出の判断に関わる境界、LOQは定量値を扱う下限に関わる。
- 数値と記号は成分、方法、試料、単位がそろって初めて比較できる。
- NDや下限の記載は、製品全体の安全性・品質・法的評価を表さない。
LODとLOQの意味
検出限界は、特定の測定手順で対象成分を検出できるか判断する境界についての概念です。JCGMの国際計量用語集VIMでは、検出限界を、測定対象量の値が与えられた確率で検出される境界として説明しています。[3] 定量限界は、数値として定量できる範囲の下限に関係します。検出できることと、目的に合う定量値を得られることを同じ意味にしないのが要点です。
分析法の性能を確認する具体的な手順・計算は方法や試料によって異なります。Eurachemの2025年版ガイドは分析法の妥当性確認と性能特性を扱い、検出限界の統計的考え方も含めています。[2] その説明は分析法の評価指針であり、購入者が一部の式だけで手元のCOAや商品を判定するための共通計算式ではありません。
麻薬取締部の2026年6月版CBD関連製品輸入案内は、輸入前確認用の成分分析書にLODとLOQ双方を記載する事項を示しています。[1] これは当該案内の範囲です。全てのCOAが同一形式であることや、LOD・LOQだけで個別商品の認証が成立することを意味しません。
表示を見たときの確認表
| COAの表記 | 確認したいこと | すぐには言えないこと |
|---|---|---|
| ND | 凡例での定義、対象成分、適用条件 | 成分が完全に存在しないこと |
| <数値 | 数値がLODかLOQか、単位と方法 | その境界値が測定結果そのものか |
| LOD | 対象項目、試料、分析法ごとの値 | 別の方法でも同じ検出限界か |
| LOQ | 定量の条件・単位・説明 | あらゆる用途で使える下限か |
| 数値のみ | 結果欄の単位、試料名、注記 | 桁数だけから精度が分かること |
架空例で読み方を確認
説明用に「成分A:ND」「成分B:<0.02 mg/g」と記載されたCOAを想定します。成分Aは凡例に意味がないと、NDの条件を特定できません。成分Bも0.02 mg/gが検出限界なのか定量限界なのか、方法欄や注記で確認します。この値は説明用の仮想例であり、実在商品の分析値や基準値ではありません。
確認メモは「成分A:ND/凡例未確認」「成分B:<0.02 mg/g/下限の種類未確認」「試料:商品ロットとの対応確認中」のように、元の記号を残して書けます。追加説明を受けたら、発行元と参照資料、確認した日も添えます。値をゼロに置換したり、未確認だった凡例を後から消したりすると、何が書面の記載で何が補足説明か分からなくなるので避けます。
信号と数値の区別
測定機器から何らかの反応が得られることと、その結果を濃度の数値として報告できることは別です。試料由来の信号、前処理、測定のばらつきなどを含め、方法が定めた条件で評価されます。読み手は機器の仕組みから結果を推測せず、COAに記載された区分と凡例をそのまま確認します。報告されていない数値をNDから逆算したり、隣の成分のLODを当てはめたりしません。
似た表示を比べるときの注意
- 方法:分析機器・前処理・試料マトリクスが違うと、下限の数値だけを横並びにできません。
- 単位:mg/g、ppm、%などは基準を確かめてから比べます。
- 記号:NDの意味や「<」の対象が同じとは限りません。
- 対象:成分名、原料・完成品、ロットが一致しているか見ます。
- 範囲:特定物質のNDを全成分や製品全体の評価へ拡張しません。
異なるCOAでNDが並んでいても、試験パネルや方法が違えば同じ結果を意味しないことがあります。発行元が違う数値を比較する必要があるときは、元データや方法の説明が揃うか確認し、揃わない部分は比較不能として残します。
分からない表示は質問に変える
凡例がない、LODとLOQのどちらか不明、単位が見つからないときは、販売元や発行元へ「このCOAでNDはどの条件を意味しますか。対象項目ごとのLOD・LOQ、単位、分析法が分かる資料はありますか」と尋ねます。結果の書き換えや独自の計算を求めるのではなく、報告書の読み方を明らかにする質問にします。
回答を受け取ったら、該当する報告書番号・試料・ロットを指定した説明か確認してください。一般的な説明を、別試料のCOAにもそのまま当てはめないようにします。回答が得られない場合は「NDの定義は資料から確認できず」と保ち、ゼロや基準値未満の断定を加えません。
よくある質問
Q. NDはゼロと同じですか?
必ずしも同じではありません。凡例と報告機関の定義が確認できるまで、記号をそのまま記録し、存在しないという結論に置き換えないでください。
Q. LODとLOQの数値は必ず同じですか?
異なる概念なので、同じと決められません。対象成分ごとの値と、どの方法で得た値かを報告書で確認します。
Q. LOQを下回ればNDと記載されますか?
報告方法に一律の共通表記があるとは限りません。NDの定義は各COAの凡例で確認してください。
Q. NDの数値が小さいCOAほど良いですか?
条件の違う下限を単純比較して品質順位は付けられません。方法、対象試料、単位、報告ルールを先に揃えます。
まとめ
ND・LOD・LOQは、記号や数値だけで解釈せず、凡例、対象成分、分析法、試料と単位を合わせて読みます。判断できない箇所は未確認とし、発行元へ質問しましょう。全体の確認手順はCBD製品のCOAを確認する6項目、質量比の単位はppm・%・mg/gの比較方法も参照できます。
主な参照情報
- 麻薬取締部「CBD関連製品の輸入手引き」(2026年6月1日版) — 輸入前資料のLOD・LOQ記載事項。
- Eurachem, The Fitness for Purpose of Analytical Methods, 3rd ed. (2025) — 分析法検証と検出限界。
- JCGM VIM 4.18, Detection limit — 検出限界の用語。